更新日: 2014/05/26
埼玉新聞のニュースサイト[saitama-np.co.jp]より。そろそろらき☆すたに頼れなくなっているのではないかと想像しているのですが、まだいけるのですか?
また感想一気。本当は年末年始に書き上げたかったんだけどな。
5燃え。なんかすごいいい出来なんですけど。何気に名セリフがちりばめられています。発売日の数日後は書店によっては2巻売り切れてましたよ。
後半のおじいちゃんと離婚が決まった人の話は、いいね。対局が終わってうなぎ屋(*1)行ったあとの「将棋好きですか」「そんな言葉なんぞで言い表せるものかっ」というやりとりは燃えたよ。離婚決まった人とクリスマスイブに対局するという引きのあと、次の話では冒頭からもう感想戦だったりとか、その時おじさんのため息が少しアルコールの匂いが混じっているとか、たまらんね。くー。公園で零くんが叫ぶシーンは、あ、もうそれやっちゃうんだと思ってしまいました。これよりすごいの用意してるのかと考えると、もうわくわくしてしまいます。
このほか、二海堂の「『潔い』のと『投げやり』なのは似てるけど違うんだ」(*2)とかも、暑苦しいにもかかわらずよかったし。高橋クンの、練習の時にサボっていたりすると「自分を信じろ」と言われてもなかなか信じることはできないし、というスポ根の原点もなかなかよかった。
シリアスシーン以外も相変わらず好調。なんといっても将棋の駒をネコのキャラクターに例えて説明しているところは秀逸。うなぎ屋でのおじいちゃんとの場面も、相変わらず零が翻弄されていてよかった。
そうそう、先崎さんのコラムを読んで、ようやく『3月のライオン』のタイトルに合点がいきました。3月のリーグ戦最終戦で昇級がかかった人はライオンのように戦うのね。確かに2巻はそんな昇級・降級をめぐる人間の業が渦巻いた内容でした。早く次が読みたいです。
すごい面白かった。数年前までは、談春といえば競艇ばかりで落語なんかやってるのか?とか(めちゃめちゃ失礼だよな)思っていたのですが、考えを改めさせていただきました。志らくの本もそのうち機会があったら読みたいのですが、ひとまず今のところワシは談春派です。
談志というまたとないネタというのももちろんあるとは思うのですが、やはりそれだけじゃないでしょ。家元と弟子との関係が、普段おいらなんかが会社勤めしている際に発生している上司・部下との関係なんかとは比べ物にならないほど濃密なものになっているところに圧倒された。伝統の継承って、こーゆー濃密な関係の上に成り立つんだろうな。会社勤めなんかじゃ無理だし、こんな関係求めるのは頭おかしいと言われるだろうな。
我々会社勤めの人間も、仕事をする上で技術を身につけていくけれども、それはどう考えても自分の財産であって、これを共有財産だという認識を持っている人はひとりもいないでしょ。後輩を教育していく目的だってせいぜい自分が楽になるからとか、今の仕事をほかの人に引き継がせて自分はもっと付加価値の高い業務をやるとか、まぁそんなところでしょ。でも古典落語については落語家みんなの共有財産だという認識がちゃんとあって、根多を引き継いでいくのは義務という考えがちゃんとある。
一般の人は談志のキャラクターから、あの人は弟子の面倒なんて碌に見ないだろうなんて思ってしまう(*3)けど、ここに出てくる談志はそんな談志じゃないんだよね。ちょっとこれは意外だった。談志が料理を作って弟子に食べさせる場面がいくつか出てくるんだけど、そこはなかなか微笑ましいです。しまいには、師匠が弟子にしてやれることなんて、ほめるぐらいしかないとまで言うんだよね。
表題の赤めだかのエピソードもいいですが、談春と志らくがスナックで桂米助と小遊三を爆笑させた帰りの雪夜の牛丼とかもよかった。二ツ目昇進披露の実況は本当に面白かった。これ、当時の音源とかビデオとかないのかな。是非聴いてみたい。