【客席状況等】
- 開演30分前に行ったら、すでに前座さん始めていました。しかも今回は二人前座。
- 高齢者多し。どうやら鯉昇一門の支援者もちらほらいたようです。
- 披露目ということもありますが、顔付けとしては一門会という感じ。
- 鯉八
- 新魔術(*1)。本当にアイディアだけかも。演じ分けが余りうまくなく、キレがない。性格俳優としては面白そうな気はします。前半はともかく後半は客席が微妙な空気に。
- 鯉斗
- 芝居の喧嘩。少し舌足らずな語り口。おそらくご本人は地噺難しなぁと感じてらっしゃったのではないでしょうか。お客さんを味方に出来ない状態でした。この状態でダジャレ言ってもひいていくだけです。目の表情は格好いいところがあるので、むしろ人情噺あたりをやるとハマるかも。鯉昇一門だとなかなかそちらの方向には進みづらいでしょうか。かつて新宿にあった「赤レンガ」というお店の前で呼び込みやってらっしゃったそうなので、個人的には頑張ってほしいのですが。
- 北見翼
- 奇術。和妻をやってらっしゃいました。へぇなんて思いながら。
- 傳枝
- 禁酒番屋。やはりこの一門は飲んべえ多いなぁ。この間聴いた胴斬りよりは良かった印象。
- 鯉太
- ぜんざい公社。やはりこれ聴くと芸協の芝居だなと思うわけで。ただちょっと長いなとは感じてしまいました。
- 味千代
- 太神楽曲芸。お一人ですが一通りやってらっしゃいました。回転数が上がると中のLEDが光る玉を傘で回すというのもありました。
- 小柳枝
- 船徳。以前音源で聴いたときは、ちょっと声が太すぎて苦手だったのですが、すっかりしゃがれていらっしゃったのでこれくらいなら。安心して聴くことができますね。
=== 仲入り ===
- 鯉太・鯉朝・鯉橋・鯉昇・小柳枝
- 口上。鯉昇師がボケながら、鯉朝師が鋭くつっこむという構図。鯉昇師が柳昇の真似をすると客席から「うまい!」の声も。兄弟子の鯉朝師からは、鯉橋師から駐車場で酒を飲む方法を教えられたとか、ホームレスのかたからお酒をおごってもらう方法などを教わったとの話も。
- コントD51
- コント。地方廻りのお芝居の匂いを色濃く残したコント。
- 鯉朝
- 夏泥。いぶしているとかその辺の描写はすっかり抜き。泥棒がどんどん金を出さなければならない状況のみに焦点をあてた構成。本日出演されたお弟子さんのなかでは一番まともでした。まくらはご自身の大阪での酒のしぐじり話。
- 鯉昇
- 粗忽の釘。釘にぶら下げるのが箒ではなく、大きめのロザリオ。もうこの時点でワケワカランですよ。夫婦の馴れ初めのところはばっさりカットする代わりに、お向かいさんでのやりとりを膨らませていました。ここが良かった。お向かいさんはちょっとだけ理屈っぽくて、理屈つけて粗忽者を説得させようとしているところがおかしい。粗忽者もロザリオを説明しようとしてキリストが首を傾げているところを「寝違えたみたいに」などと言ってました。どうやらロザリオ編だけでなくエキスパンダー編もあるらしいです。音源はそちらがあるのかな。楽しめました。
- 美由紀
- 俗曲。まぁ以前聴いた感じで。美由紀さんはここの一門なんですね。へぇ。
- 鯉橋
- 佃祭。去年雲助師のを聴いてしまっているのでどうしても比較してしまうのですが、祭りのときの町の様子の描写はなく。与太郎は出てきますが、せいぜいちゃんと仕事のできない月番としての描写のみ(*2)。特徴としては、次郎兵衛さんが妙に酒が好きというところでしょうか。別にそれでしくじったりしてないし、酔っぱらった描写もないのでおそらく演者の好みなんでしょう。切り返しはうまいしテンションもいいので、あとはどう見せるのかをもう少し意識して頂ければ。楽しみです。
【本日の収穫】
鯉昇師の粗忽の釘。鯉橋師。小柳枝師の船徳。鯉朝師。